the Vibrators「FALL INTO THE SKY」
バイブレーターズ45年以上の活動
最後のスタジオアルバム!ラスト曲「So Long」の甘く切ない唄声がたまらない。Knox. Eddieお疲れ様!
2022年8月発売作品
03/Nov/2022
FRED FRITH & HENRY KAISER「WITH FRIENDS LIKE THESE」
これは廃盤だが、FRIENDS & ENEMIES というタイトルの、このLP収録の9曲に’99年録音の音源などを追加した2枚組のCDが出ている。CDは未聴で、持っているのは1979年録音のLPの方。基本的にはギター・デュオの即興演奏だが9曲中6曲はオーバー・ダビングが施されている。1曲目のドラムス、ヴァイオリン等が追加された騒乱を始め、擦られたり、叩かれたり、チューニングを下げられたりしたギターのざらついた感触は日本の高柳昌行、ニュー・ウェイブ、インダストリアルに非常に近い。
豊永亮(75) 17/Oct/2022
THE RAINCOATS「THE KITCHEN TAPES」
彼女達の抒情性をダイレクトに収録した‘82年のNYはキッチンでのライヴ録音。東欧風の旋律の歌と決して不要な音などないかのような凛とした演奏は何かしら小さな台風のように聴くものを揺さぶる。どうしてだろう。音楽の何が人の心を捕らえるのか誰にもわからない。高度な技術を持ってすれば人を感動させるとは限らないのは、多くのバンドが教えてくれている。愚かしくもレインコーツの音楽の背景に政治思想があったことにはあまり関心が行かなかった。恥ずかしいことだと今になって思う。
豊永亮(74) 19/Sep/2022
SPARKS「ANNETTE」
2021年公開のレオス・カラックス監督作品のサントラ盤。現実と幻想が渾然一体となって渦巻く映画の場面が思い浮かぶ。ミュージカルという体裁が登場人物が突然歌い出す必然性を与えるが、僕はこれがずっと馴染めないでいた。好みの話。俳優たちの歌が撮影時に録音されたというのは信じ難い。躍動感のある”SO MAY WE START”、”WE LOVE EACH OTHER SO MUCH” の悲しげな旋律、友愛に満ち溢れた”IT’S THE END” 等々聴きどころ満載だ。一度観たら決して忘れることのできない作品だ。
豊永亮(73) 30/May/2022
ROBIN HOLCOMB「ROBIN HOLCOMB」
1991年N.Y.でそのライヴ演奏に接することができたのは幸運だったと思う。なんとなく中島みゆきに似た歌声と、ほのかに光が差すような世界は暗いと言えば暗い。ホルコムのご主人ウェイン・ホービッツが京都に滞在した際、宿主があなたの奥さんの音楽が好きですと言うと、国際電話で「お前の音楽を好きだという人が日本にいるぞ!」と伝えたというエピソードは心温まる。反復される旋律が織りなす抒情性はアメリカ人の過去の記憶にさかのぼるかのようだ。1990年作
豊永亮(72) 03/May/2022