
MASSACRE「KILLING TIME」
ゴムまりの様に弾けるビートを叩き出すドラムスのマー、時にファンキー、時に6弦ベースを掻き鳴らすラズウェル、そしてヘンリー・カウやソロで開拓したギター奏法から多様な音響を繰り出すフリスによるトリオのアルバム。マサカはシンプルな編成のロック・バンドとしての表現の可能性を自由度の高いアレンジの曲の元に展開した。ここに記録された 音楽には自由な精神の愉快な躍動があり、それは時にマジック・バンドを想起させる。1981年作
豊永亮(94) 08/Feb/2026

HANS REICHEL「BONOBO BEACH」
ドイツのハンス・ライヒェル(1949〜2011)の1981年のソロ作。自作のギターによって紡がれる有機的な演奏は、シンプルな音階とトレモロ効果が時折、ブルースや韓国の音楽を連想させる。そして、それは多くの倍音を含んでおり、あたかも夜空に浮かぶオーロラの様だ。とても一人の演奏者から成り立っているとは思えないほどポリフォニックな音の表出の根底にあるのは、即興演奏による瞬間の出来事の連なりに身を投じる演奏者の意志である。
豊永亮(93) 14/Dec/2025

THE VELVET UNDERGROUND「WHITE LIGHT / WHITE HEAT」
ドローンを使用するラ・モンテ・ヤングやT・コンラッド達との共演から影響を受けたケイルは、アンプで増幅されたヴィオラのドローンとパルスの電気的な軋んだ響きをアンサンブルに持ち込んだ。それがリードのリリカルで情動に溢れた歌とギター、タッカーとモリソンのプリミティブなリズムと混ざり合い、ロックン・ロールを基調としながら、即興に よって表現が増殖して行く革新的な音楽を作り上げた。繊細さを残すラフな録音も素晴らしい。1968年作
豊永亮(92) 24/Sep/2025

AMM「AMMMusic 1966」
ギター、ドラムス、ピアノ、チェロ、サックス、ヴァイオリンの全てが音響を発する道具として用いられ、リズム、ハーモニー、メロディーとは無縁の非連続的連続の不協和な音の重なり合いが延々と繰り広げられる。一見それぞれの音は無秩序に空間に置かれているようだが、彼らが求めているのはカオスではなく、言わばディスコミュニケーションを基にしたコミュニケーションによる各自の探究が溶け合う事から生まれる表現なのだ。
豊永亮(91) 17/Jul/2025
